日本写真測量学会 関西支部

テクニカルセミナー/第81回空間情報話題交換会の報告


2015年10月23日(金)、常翔学園・大阪センターにおいてテクニカルセミナー/第81回空間情報話題交換会を開催しました。


「Smart Citiesの概念に基づいた空間情報の活用技術 -CASA/UCLでの滞在で見えてきたもの-」

摂南大学 熊谷樹一郎 氏

講演資料:
http://www.jsprs-w.org/meetings/data/w0081_kumagai.pdf

Smart Cities,モデリング,ビジュアライゼーション

 第81回テクニカルセミナーでは, 「Smart Citiesの概念に基づいた空間情報の活用技術 -CASA/UCLでの滞在で見えてきたもの-」と題して、 本支部の事務局長である摂南大学 熊谷樹一郎様にご講演頂きました。

 熊谷氏は、平成26年8月末からの1年間 University College London (UCL)の Centre for Advanced Spatial Analysis(CASA)に滞在されました。 ご講演では、1)UCL CASAのあるロンドンの現状、 2)CASAの取りくみ、3)熊谷氏がCASAで行ったことの3つのお話から、 CASAで進められているプロジェクトの一端をご紹介頂きました。

 1)では、人口と衛星画像から見える都市の土地被覆区分の変遷を例に、 ロンドンにおける都市開発の状況をご説明頂きました。 ロンドンでは人口増加により近年建設業が盛んであること、 厳しい法制度により新しい市街地開発が少なく、 既存建物の改築がほとんどであることをご説明頂きました。 2)では、既存建物や都市の効果的な活用を検討するために、 都市・建物の中の人の動きのモデリング・ビジュアライゼーションの研究が 盛んであることをご紹介頂きました。 CASAで取り組まれている空間情報のモデリング・ビュアライゼーション技術について、 多くの事例を交えて具体的にご説明頂きました。 最後に3)では、空間情報のモデリング・ビジュアライゼーション技術を、 日本に適用した事例をご紹介頂きました。 具体的には、上水道の使用量・未使用時期などの情報と既往GIS情報から、 空き家の位置を推定・可視化した事例です。今後は、上水道だけではなく、 他のライフライン情報の利用を検討していることなどのお話しを頂きました。

 ご講演頂きました熊谷様には,この場を借りてお礼申し上げます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。