日本写真測量学会 関西支部

第124回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会の報告


2024年4月26日(金)、大阪公立大学 I-siteなんば に於いて第124回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会を開催しました。


『スマートフォンを用いた写真測量に基づく斜面のモデリングと図面生成』

大阪工業大学 木村 優介 様

講演資料:こちら

 テクニカルセミナー/第124回空間情報話題交換会では、『スマートフォンを用いた写真測量に基づく斜面のモデリングと図面生成』と題して、大阪工業大学の木村優介様にご講演いただきました。

 本講演では、スマートフォンを用いた計測によって、安全かつ簡易に道路斜面のモデリングを行う技術の開発について話題提供がありました。まず、現状のポール横断測量の課題を解決し、現場で適用可能な技術開発を進めるため、三次元モデルを用いて現況図を作成するという、技術開発の狙いを説明いただきました。その後、開発全体の枠組みの検討から、計測機材の選定、機材を用いた実験、実際の崩落現場における検証、三次元データの移行方法の検討という流れに沿って、各段階の内容を紹介いただきました。
 特に、計測機材を用いた実験や検証では、スマートフォンに加えて、比較のためにドローンを使用し、複数の計測パタンに基づいて計測した結果を説明いただきました。さらに、これらの結果とトータルステーションやLiDARで計測した結果とを比較することで、計測精度や、具体的な精度の改善方法についても解説いただきました。講演の最後には、実現場における試行の結果、現場での計測時間や計測人数、図面の作成時間といった点で、従来手法よりも改善が見られ、効率的な計測を実現したことを紹介いただきました。
 講演後の質疑応答では、写真を用いた測量に関するこれまでの経緯や考え方、具体のファイル交換フォーマットの取り扱いなどについて、活発に意見が交わされました。

 ご講演いただきました木村様には、この場を借りて御礼申し上げます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。