日本写真測量学会 関西支部

第98回テクニカルセミナー/空間情報話題交換会の報告


2019年2月1日(金)、大阪府立大学 I-siteなんば においてテクニカルセミナー/第98回空間情報話題交換会を開催しました。


『鉄道におけるGISの整備と活用事例の紹介』

ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社 吉川 悟 氏

講演資料:
http://www.jsprs-w.org/meetings/data/w0098_yoshikawa.pdf

3鉄道、GIS、位置情報、防災、システム連携

 第98回テクニカルセミナー・空間情報話題交換会では, 「鉄道におけるGISの整備と活用事例の紹介」と題して,ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社の吉川悟様に話題提供いただきました.

 JR西日本では,平成18年度からGIS環境の整備を進められ,平成19年度から電子線路平面図システム(以降,GIS-W)の運用を開始されています. わずか1年の間に,JR西日本管内全域の航空写真から鉄道施設を3次元で取得し作成した路線平面図や, 列車先頭映像・鉄道設備台帳等のデータ整備,鉄道特有の位置情報である「キロ程」での表現方法の検討,システム環境の構築を実施されたそうです.

 GIS-Wはグループ会社を含めJR西日本社内のさまざまな部門で使用されています. また,GIS-W上で40万枚にもおよぶ土木構造物の図面データを閲覧できることなど,これまで社内で構築されてきた各種台帳システムや各種データと連携・閲覧できることや, 現場写真の緯度経度からキロ程を容易に付与・管理できるソフトなどについてご紹介いただきました. そして現在では,地震計や雨量計など各センサー情報を可視化するなど,どこで何が起こっているか,鉄道システム全体を知り, 現場起点の考動(こうどう)を促すシステムの構築を試みられているそうです.

 さらに,各種鉄道設備の詳細な位置情報の管理に3次元レーザスキャナにより計測された点群を使用されている事例や鉄道独特の路線のつながりを模式図として 表現する配線略図システムについてご説明いただきました.

 最後に,今後の展望として各種データの更新頻度を高めることや,キロ程に代わる位置情報の基準の整備の必要性などについて述べられていました.

 話題提供いただきました吉川様には,この場を借りてお礼申しあげます.


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。