日本写真測量学会 関西支部

テクニカルセミナー/第87回空間情報話題交換会の報告


2016年12月2日(金)、常翔学園・大阪センターにおいてテクニカルセミナー/第87回空間情報話題交換会を開催しました。


『ASTERの利活用・次世代ハイパーセンサ開発』

産業技術総合研究所 岩男弘毅 氏

講演資料:
http://www.jsprs-w.org/meetings/data/w0087_iwao.pdf

ASTER,HISUI,資源探査,防災,環境,ビジネス利用

 第87回テクニカルセミナー・空間情報話題交換会では,「ASTERの利活用・次世代ハイパーセンサ開発」と題して,産業技術総合研究所の岩男弘毅様にご講演いただきました.

 ご講演では,1)人工衛星から資源(石油や鉱物)を探査する原理と方法についてご説明いただいた上で, 2)日本の資源探査センサであるASTERとその後継機であるHISUIについてその特徴と開発状況をご紹介いただきました. さらに,3)資源分野以外のASTERの利活用方法と今後の可能性について多くの事例を基にお話いただきました.

 1)では,人体へのリモートセンシングや地球へのリモートセンシングを例に人工衛星から資源を探査するために, どのような手がかりを衛星観測から得るのか,その原理と具体的な方法についてご説明いただきました. 2)では,ASTERが地形構造や鉱物組成に関するスペクトル構造を把握することで資源を探査していること, 集中的に観測できるポインティング機能を持つことなどのASTERの詳細な特性をご説明いただきました. 国際宇宙ステーション(ISS)に搭載が予定されている次世代ハイパースペクトルセンサのHISUIについては, ASTERでは観測できなかった鉱物の徴候を把握することが期待されていることなどをご紹介いただきました. さらに,代替校正や月校正,相互校正などのセンサの精度管理について,具体例を交えてご説明いただきました. 3)では,観測された300万シーンにも及ぶデータがダウンロードできること, 一般になじみのあるカラー画像に変換したプロダクト(擬似天然色画像)が無償提供されていることや, 熊本地震の土砂災害状況の把握にデータが活用された例があることなどを紹介いただきASTERデータの利用の可能性についてご説明いただきました.

 ご講演いただきました岩男様には,この場を借りてお礼申しあげます.


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。