日本写真測量学会 関西支部

テクニカルセミナー/第72回空間情報話題交換会の報告


2013年12月8日(金)、常翔学園・大阪センターにおいてテクニカルセミナー/第72回空間情報話題交換会を開催しました。


『画像と測量ーデジタルカメラによる写真測量とその展望ー』

日本写真測量学会会長 東京電機大学 近津 博文 氏

キーワード:デジタルカメラ,写真測量

 2013年を締めくくる第72回テクニカルセミナーには,本学会会長の近津博文先生(東京電機大学)にご登壇いただき, 「画像と測量」と題した話題を盛りだくさんいただきました。

近津先生は,長年にわたり民生用デジタルカメラや携帯電話カメラを用いた近接写真測量の応用可能性について ご研究されております。ご講演では,80年代終りから最新まで多種に渡るデジタルカメラを用いた精度検証結果から, 300万画素以上で1/10画素の精度の確保が可能,500万画素以上では精度は横ばいとなるが, 800万画素では焦点距離7.9mmで1級セオドライト並みの精密写真測量が可能となり, 利用目的に応じて充分な精度の計測が可能であることを示してくださいました。 また,高価な一眼レフカメラや多数の地上基準点を必要としないシンプルでロバストな3次元計測を可能とする 写真測量ソフトウェア3DiVisionの開発から地形計測・遺跡計測への応用, さらには,光学ズーム・デジタルズームが精度に与える影響や, 斜距離を拘束条件にしたセルフキャリブレーション付バンドル調整法について,多岐に渡りご紹介いただきました。

ご講演の冒頭でご紹介された“測量という言葉から想像できる事”と題する学生アンケート結果では, 会場から頷き声も聞こえてきましたが, 最後の展望では,将来の測量のイメージは観光地でスナップ写真を撮っている風景へと発展していくものと期待する, として締めくくられました。

 ご講演いただきました近津先生には,この場を借りてお礼申し上げます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。