日本写真測量学会 関西支部

テクニカルセミナー/第66回空間情報話題交換会の報告


2012年8月23日(木)、常翔学園・大阪センターにおいてテクニカルセミナー/第66回空間情報話題交換会を開催しました。

今回は、『ヒートアイランド対策を考えた都市づくり』と題して摂南大学の森山様からご講演を頂きました。


『ヒートアイランド対策を考えた都市づくり』

摂南大学 森山 正和 氏

<キーワード:ヒートアイランド、クリマアトラス>

森山様には、「ヒートアイランド対策」について、「建物スケールの話」から「都市スケールの話」まで、非常に幅広い視点からご講演頂きました。 そもそも、ヒートアイランド現象は、1995年頃から話題になり始め、2000年頃から自治体等も本格的な取り組みを始めた分野だそうですが、 議論そのものは、1970年代からすでに行われていたそうです。現在は、主として二酸化炭素排出量と地球温暖化が主たる話題となっていますが、 都市部における人口密度の過密→都市部の気温上昇→冷房需要の増加→エネルギー消費量の増加→二酸化炭素放出量の増加、という流れがあり、 地球温暖化とヒートアイランド現象は、必ずしも無縁ではないそうです。ヒートアイランド対策には、屋上緑化や高反射塗料の開発といった 「建物スケール」で考える立場と、都市計画そのものを改善し、風の通り道の確保や緑地帯の造成など「都市スケール」で考える立場があるそうで、 森山様には、両方の立場について詳しくご説明いただきました。また、都市スケールの話では、クリマアトラスと呼ばれる、環境基本計画に利用する 地図について、国内外の事例を通して御解説いただきました。森山様のお話を通しては、ヒートアイランド現象とその対策方法について新しい知見を 得ることができました。文末ではございますが、ご講演いただいた森山様に、この場を借りて御礼申し上げます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。