日本写真測量学会 関西支部

テクニカルセミナー/第64回空間情報話題交換会の報告


2012年6月29日(金)、常翔学園・大阪センターにおいてテクニカルセミナー/第65回空間情報話題交換会を開催しました。

今回は、『社会基盤情報の流通と課題-国土・公共施設から人流の情報まで-』と題して東京大学空間情報科学研究センターの関本様からご講演を頂きました。


『社会基盤情報の流通と課題-国土・公共施設から人流の情報まで-』

東京大学空間情報科学研究センター 関本 義秀

東京大学空間情報科学研究センターの関本様には、『社会基盤情報の流通と課題-国土・公共施設から人流の情報まで-』と題してご講演頂きました。関本様の研究テーマは、「社会のダイナミクス」であり、この研究テーマでは人のように「動くものも社会基盤として扱っているそうです。関本様は、2008年に「人の流れプロジェクト」を立ち上げ、このプロジェクトを通して人の流動研究を行い、このプロジェクトでは、パーソントリップデータを用いた研究などを行なってきたそうです。パーソントリップデータは、自治体や国によって整備されている情報ですが、アンケート調査によるものであるため、その情報は断片的でリアルタイムに得られた情報ではないという問題があります。この問題に対する試みとして、関本様には、GPS搭載携帯電話の位置情報を用いたゼンリンデータコムとの共同研究や、課金情報を用いたKDDIとの共同研究の事例をご紹介いただきました。さらに、関本様には、社会基盤情報流通推進協議会での活動に関してもお話をして頂きました。この活動を通して、様々な公共データをユーザーに提供できるようなプラットフォームの構築も行なっているそうです。この試みでは、自治体や国が作成している様々な文書から自動的に社会基盤情報を構築する仕組みを開発しており、自治体から提供を受けた情報を整理し、公開しているそうです。関本様のお話を通して、社会基盤情報の流通に関する様々な問題が見えてきました。ご講演いただいた関本様には、この場を借りて御礼申し上げます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。