日本写真測量学会 関西支部

テクニカルセミナー/第64回空間情報話題交換会の報告


2012年4月27日(金)、常翔学園・大阪センターにおいてテクニカルセミナー/第64回空間情報話題交換会を開催しました。

今回は、『デジタル写真測量による橋梁構造物の維持管理・点検技術の紹介』と題して(株)ズームスケープの小野様からご講演を頂きました。


『「デジタル写真測量による橋梁構造物の維持管理・点検技術の紹介」』

(株)ズームスケープ 小野 徹

<キーワード:ジタル写真測量,デジタルカメラ,維持管理,点検,橋梁>

ズームスケープの小野様には、「デジタル写真測量による橋梁構造物の維持管理・点検技術の紹介」と題した講演をして頂きました。近畿地方整備管内のデータによると、今後10年ほどで、近畿地方における橋梁の約半分以上が50年を経過するそうです。老朽が激しい場合、鉄筋の露出や、コンクリート剥落、最悪の場合には橋梁の落下事故に繋がる可能性もあるそうです。現状では、橋梁の構造を点検し、損傷状況を把握し、適切に修復や補強を行うことで、長寿命化を図ることが主流となっているようですが、橋梁の架け替えに備えた橋梁の構造的な強度検査も考える必要があります。小野様の発表では、写真測量技術を用いた「非接触」のたわみ分析手法についてお話をして頂きました。この方法は、レーザー距離計付きのデジタルカメラで動画を撮影し、最小二乗マッチングによる変異計測によって「たわみ」を計測するというもので、足場の設置作業やマーカーの設置、交通遮断の必要が無いため、安全かつ低コストな検査を実現できるとのことでした。精度も高く、0.1画素以下のサブピクセルでの変位計測が可能で、20m以下の撮影距離なら0.1mm以内の精度での計測が可能であるとのことでした。ご講演を頂いた小野様には、この場を借りて御礼申し上げます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。