日本写真測量学会 関西支部

テクニカルセミナー/第63回空間情報話題交換会の報告


2012年2月10日(金)、常翔学園・大阪センターにおいてテクニカルセミナー/第63回空間情報話題交換会を開催しました。

今回は、『地方自治体の非図面管理部門における統合型GIS活用の意義』と題して宇治市の青木様からご講演を頂きました。


『地方自治体の非図面管理部門における統合型GIS活用の意義』

宇治市 青木 和人

<キーワード:地方自治体、非図面管理部門、統合型GIS、政策立案>

青木様には、「行政の視点」と「地理学の視点」の両方の立場から、地方自治体における統合型GISの活用の意義についてご講演を頂きました。現状の行政をとりまく状況としては、地方分権と、それによる自治体行政の省コスト化と市民サービス向上の要求があり、統合型GISはこれらの要求に対して有効であると考えられます。一方、地理学的な視点で見てみると、GISは空間的意思決定支援システムとしてその理論と方法を発展してきた歴史があり、実際に行政データを用いた検証を行うことには重要な意味があります。青木様のご発表では、宇治市における実際の活動を通して、統合型GISの有効性について新しい視点からご発表頂きました。これまで、自治体における統合型GISの適応先としては、主として図面による施設管理に焦点が当てられてきましたが、今回のご発表では、図面を中心としていない部門での活用例をご紹介いただきました。青木様のご発表を通しては、非図面管理部門においても統合型GISの利活用が、政策立案の面において有効なシステムであることが分かりました。質疑応答も、活発に行われ、とりわけ、行政における市民サービスの向上には、産官学のより一層の連携が必要であるとの共通認識を得ることができました。ご講演いただいた青木様に、この場を借りて御礼申し上げます。


※測量系CPD協議会において認定された学習プログラムとして終了後に参加者へ受講書が配布されました。
※GIS上級技術者の認定を受ける際の貢献達成度ポイントとして申請できる参加証も配布されました。